他社を徹底研究した
絶妙なポジショニング
とにかくポジショニングが絶妙。改めてそう感じるシャークニンジャの新製品だった。昨年夏に「ダイソンよりも売れているコードレス掃除機」として鳴り物入りで上陸した同社。そこから立て続けにハンディクリーナー、スチームモップも投入し、今回、満を持してロボット掃除機にも参入した。ハイエンドクラスだったコードレス掃除機に対してロボットは約4万円とミドルクラス。そもそもロボット掃除機は10万円前後の高級機と2万円前後の格安機に極端に分かれるが、実は昨年末、この分野で圧倒的シェアを誇るアイロボットのルンバが上位クラスの製品を5万円前後で投入したのだ。それよりも約1万円安いシャークのロボット。実はコードレスクリーナーも、ダイソンの売れ筋ナンバーワン機種よりも少しだけ安い価格設定だった。この辺りは、ダイソンやエレクトロラックスの日本法人社長を歴任したゴードン・トム氏率いるシャークニンジャの緻密なマーケティング戦略が見て取れる。
肝心の性能だが、もともとコードレス掃除機のころからブラシのクオリティには定評があり、掃除力は問題なし。ただ効率の良さ、賢さはルンバなどには劣る。検証中も何度もコードなどを引きずって爆走していた。基本的に力尽き果てるまでガンガン掃除するタイプなので、入ってほしくない場所やコード周りなどは、付属のストラップを張って防護したい。ダストボックスの水洗いができることは、日本人の清潔性を意識した格安ロボットにはあまりない良い機構。ここにもしっかりとしたマーケットの分析が見て取れる。ルンバは高い! 予算は4万円厳守! それなら本機を勧める。
動き方はランダム式。
障害物の当たりがやや強め【掃除力】
本体の動き方はひたすら部屋を縦横無尽に動き回るランダム型。障害物へのぶつかり方はやや強めで、コードなどを引きずって進んでしまうなどやや荒い運転。


障害物として置いたコードを巻き込み爆進。途中で停止しないのは優秀だが…


掃除力は優秀。高さギリギリのソファの下にも入り込んできれいにしてくれた

いわゆるバーチャルウォール的役割をこなす「BotBoundary™ ストリップ」が付属
アプリがないのはよしあし【使い勝手】

定番となったWi-Fi搭載はなし。ここも格安機寄りだが、毎日決まった時間にしか稼働させないのであればなくても困らない機能だ。
水洗いOKはうれしい【清潔性】
ダストボックスの容量も十分で、水洗いができる点もうれしい。この辺りは格安ロボット掃除機よりも優れているポイントといえる。ブラシにゴミが絡まりにくい構造も◎。
